天照大御神(アマテラスオオミカミ)とは?神話の女神の正体とゆかりの神社・パワースポット巡り完全ガイド-1

天照大御神(アマテラスオオミカミ)とは?神話の女神の正体とゆかりの神社・パワースポット巡り完全ガイド

日本人の心や文化の原点に深く根付いている「日本神話」。その中心的存在で、太陽の女神・皇室の祖神として今も多くの方々に信仰されているのが、天照大御神(アマテラスオオミカミ)。一度はその名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。こちらの記事では、日本神話の最高神である天照大御神の正体や神話の背景を解説するのもちろん、宮崎県内ゆかりの場所についてもご紹介。宮崎の神話&パワースポット巡り完全ガイドです!

天照大御神とは?

アマテラスオオミカミは日本神話や古事記を始め、様々な日本の神話に登場する、八百万の神(やおよろず)の神々の中で、最も尊いとされている最高神。神話の中では、優しさに満ちた光で人々と大地を照らし、生命に希望をもたらす存在として描かれています。また、アマテラスオオミカミは日本の初代天皇・神武天皇へとつながる、「皇室の祖神」でもあり、現在は三重県の伊勢神宮の内宮(ないくう)に「八咫鏡(やたのかがみ)」をご神体として祀られています。日本国民の平和と繁栄を見守っている、日本にとって特別な存在です。

日本神話の原点!日本の国土の始まりを作った天照大御神の両親

天照大御神の誕生は、国生みの神様「伊邪那岐命(イザナギノミコト)」と「伊邪那美命(イザナミノミコト)」の物語から始まります。二人の神様は日本の国土となる島々を生み、海・山・船・食料・火などの神々を次々と生んでいきました。しかし、イザナミノミコトは最後に生んだ火の神で負ったやけどの影響で命を落とし、黄泉の国へと去ってしまいます。イザナギノミコトは妻を連れ戻そうと黄泉の国へと向かいますが、そこで目にしたのは妻の変わり果てた姿でした。その姿を見たイザナギノミコトは慌てて逃げ帰る。「恥をかかせた!」と追いかけるイザナミノミコトに黄泉の国の境界付近であわや捕まるという時、大岩で道を塞ぎ九死に一生を得ることに。「黄泉の国はずいぶん汚く嫌なところであった」とイザナギノミコトは禊を行い、アマテラスオオミカミが誕生しました。
 

●一度は聞いたことがある神様も⁉天照大御神の家系図
イザナギノミコトの禊により、天照大御神、月読命(ツクヨミノミコト)、須佐之男命(スサノオノミコト)が生まれ、この3柱の神を「三貴子(ミハシラノウズノミコト)」と呼びます。三貴子以外にも一度は聞いたことがある神様もいるのではないでしょうか。これらの神様はのちの神話にも深く関わってくる重要な神々となります。 “野球イメージ"

宮崎と天照大御神の深いつながり

アマテラスオオミカミが生まれた禊の地は、現在の宮崎市阿波岐原の「みそぎ池」と伝えられています。イザナギノミコトは黄泉の国での穢れを払うためにこの清らかな池で水浴びをしました。神事で心身の穢れを払うために唱えられる祓詞(はらえことば)にも、阿波岐原の地名と禊の記載があります。このみそぎ池は、現在も清らかな水はもちろん、神秘的な雰囲気を持つ宮崎を代表するパワースポット。みそぎ池以外にも住吉神社や江田神社といった、アマテラスオオミカミと深いつながりのある場所が点在しています。

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日本最初の夫婦(イザナギノミコト・イザナミノミコト)を祀っている江田神社-1

日本最初の夫婦(イザナギノミコト・イザナミノミコト)を祀っている江田神社

みそぎ池から約5分ほど歩いた場所には、日本で初めての夫婦となった神様、イザナギノミコトとイザナミノミコトを御祭神として祀っている「江田神社」があります。
創建の年は明らかではありませんが、「延喜式神名帳」(927年)に記載がある古社で古くから崇敬されてきた場所。イザナギノミコトが禊を行った禊発祥の地でもあり、全国各地から参詣者が後を絶たない全国有数のパワースポットです。

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この出来事がなければ、今の日本は存在していなかったかもしれない⁉国護りと天孫降臨とは?

アマテラスオオミカミと日本国土の生い立ちを知る上でも欠かせない事柄が、「国護り(くにまもり)」と「天孫降臨(てんそんこうりん)」二つの出来事です。国護りとは、神々が造り上げた国を守り、しっかりと安定をさせる営みのこと。大国主神(オオクニヌシノミコト)を中心とする神様達が力を合わせて、日本国土の平和・繁栄を願い国を統治しました。アマテラスオオミカミは、孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に三種の神器(玉・鏡・剣)を授け、豊葦原の瑞穂の国(とよあしはらのみずほのくに)、のちの日本を治めるように命じました。高天原(たかまがはら)から日向(ひゅうが)、すなわち現在の宮崎の高千穂へと降り立ったとされ、この出来事を天孫降臨と言います。

神様も一目惚れ⁉ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの運命的な出会い

天から地上へ降り立ったニニギノミコトは、笠沙の御崎で美しい乙女を見かけ、運命的な出会いを果たします。それは山の神「大山津見神(オオヤマツミノカミ)」の娘「木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)」でした。その美しさに一目惚れしたニニギノミコトは、結婚をすぐさま申し込む。姉の「磐長姫(イワナガヒメ)」も共に嫁がせたいという父の願いを受けたが、イワナガヒメの容姿は大変醜く、恐れをなしたニニギノミコトはイワナガヒメを送り返し、コノハナサクヤヒメと一夜を共に過ごす。しかし、二人を送り出したのには理由があり、イワイワナガヒメを妻とすれば、「岩のように揺るぎない命」が手に入り、コノハナサクヤヒメを妻とすれば「木の花のように美しく限りのある命」が与えられるという意味がありました。ニニギノミコトが選んだ、コノハナサクヤヒメは「花のように儚い命」の象徴であり、ニニギノミコトの子孫(後の天皇)に永遠の命が与えられなかった理由とされています。

天岩戸隠れと神々の宴

イザナギノミコトは、アマテラスオオミカミ、スサノオノミコト、ツクヨミノミコトの三貴子にそれぞれ高天原、海原、夜の国を治めよと命じましたが、スサノオノミコトだけは従いませんでした。母の住む、根の国へ行きたいから嫌だと駄々をこね、イザナギノミコトの怒りを買って追放を言い渡されてしまいます。姉のアマテラスオオミカミへ別れを告げようと高天原を訪れましたが、「弟は我が国を奪いに来たに違いない」と勘違いされてしまいます。自らの潔白を証明する賭けで姉に勝ったスサノオノミコトは、図に乗って次々と悪行を働く始末。挙句の果てには大機織り小屋に馬の生皮を投げ込み、驚いた機織りの娘が命を落とす事件に発展。アマテラスオオミカミは弟の乱暴な振る舞いに怒り、とうとう天の岩戸を開けて、その奥に籠ってしまいます。

光を失った世界は深い闇に包まれ、あらゆる災いが起こり、八百万の神々は天の安河原に集まり光を取り戻すためにはどうすればよいか知恵を絞り出しました。思金神(オモイカネノカミ)が天の岩戸の前で宴を開くことを思いつき、宴では天宇受売命(アメノウズメノミコト)が面白おかしく舞い踊ることに。その騒ぎが気になったアマテラスオオミカミが岩戸を少し開けた瞬間、天手力男神(アメノタジカラオノカミ)に連れ出され、世界に再び光が戻ったのです。

日本神話最大の名シーン、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

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高千穂神楽(天岩戸伝説を舞う各種神楽)-1

高千穂神楽(天岩戸伝説を舞う各種神楽)

天岩戸隠れの物語に由来する高千穂神楽は、この神話の舞台となった高千穂町で「高千穂の夜神楽」として現在も受け継がれています。毎晩20時から約1時間、全33番の中から抜粋して公開。国の重要無形民俗文化財に指定されており、神話の世界を肌で感じられる貴重な機会として観光客にも人気です。

高千穂町観光協会公式HP

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天照大御神が天岩戸から出てきてもらうために使われた三種の神器(八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣)-1

天照大御神が天岩戸から出てきてもらうために使われた三種の神器(八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣)

天岩戸から天照大御神を誘い出すために使われた使われた八咫鏡(やたのかがみ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、のちにスサノオノミコトがヤマタノオロチから得た草薙剣(くさなぎのつるぎ)の三種の神器は今も皇位の象徴として、大切に守られています。八咫鏡は伊勢神宮、八尺瓊勾玉は皇居内、草薙剣は熱田神宮にそれぞれ納められていると言われています。

スサノオとヤマタノオロチ退治

天照大御神の怒りを買い、高天原から追放されたスサノオノミコトは、出雲地方(現在の島根県)に降り立ちます。そこで出会ったのが、巨大な八つの頭と八つの尻尾を持つ怪物「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」。その場にいたのは毎年ヤマタノオロチに娘を差し出さなければならない老夫婦と老夫婦の8人いた最後の娘「櫛名田比売(クシナダヒメ)」でした。スサノオノミコトはクシナダヒメとの結婚を条件にヤマタノオロチを退治すると約束します。スサノオノミコトは酒を飲ませてヤマタノオロチを酔わせ、見事に退治。退治後ヤマタノオロチの尻尾を切り進めていくと、1本の剣を発見し、その剣こそがのちにアマテラスオオミカミに献上する、草薙剣となる。約束通りスサノオノミコトは、クシナダヒメと結ばれ出雲の国を治めることに成功しました。

高千穂神楽以外にも!神話をより楽しむ宮崎市の神楽

宮崎市には、高千穂神楽以外にも伝統的な歴史を持つ神楽が数多く伝承されています。宮崎を始めとする九州山地沿いの地域に伝わる神楽のほとんどは、集落ごとに主に庶民によって演じられていることが多いのが特徴。民家などに神を招き、稲作や狩猟、漁での豊穣を願います。また、奉納する時期により春神楽・冬神楽と分かれ、春神楽は稲作・畑作と深く結びついており、稲作地域である宮崎市とその周辺では春神楽の割合が過半数を占めます。各場所で五穀豊穣や子孫繁栄などを願う舞が受け継がれており、神楽は神話の世界を現代に伝える、重要な宮崎の文化となっています。

  • 生目神社神楽-1

    生目神社神楽

    宮崎市の代表的な春神楽である「生目神社神楽」では、稲作儀礼が最重要視されており、豊作を祝い夫婦で餅をつく舞の「杵舞」といった演目が見どころのひとつ。

    開催日:毎年3月15日に近い土曜日

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  • 青島神社神楽-1

    青島神社神楽

    青島の神秘的な雰囲気の中で夜に行われる青島神社神楽。神話の島、青島で古くから受け継がれている伝統の神楽はまるで神話の世界に入り込んだかのような気持ちになることでしょう。

    開催日:毎年成人の日前日裸祭り前夜祭、3月中旬浦祭り
     
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宮崎の神話にゆかりがある市内スポット

神話の舞台となった宮崎市内には、日本神話の世界を肌で感じられるスポットが数多く点在しています。初代天皇神武天皇を祀る格式高い神社「宮﨑神宮」やイザナギノミコトが禊を行った「みそぎ池」、イザナギノミコト・イザナミノミコトの夫婦神を祀る「江田神社」は、日本神話の始まりを象徴する重要な聖地として外せないスポット。また、天孫降臨の神ニニギノミコトの妃・コノハナサクヤヒメを祀る「木花神社」は、美しさと愛の象徴として知られ、神話に描かれたロマンティックな物語に触れられる場所として多くの参拝者を魅了しています。そのほかにも青島神社・住吉神社・野島神社・皇宮神社などといったスポットがあり、神話の世界に存分に浸ることができます。

  • みそぎ池-1

    みそぎ池

    イザナギノミコトが黄泉の国での穢れを清めるために禊を行い、23柱の神々とアマテラスオオミカミ、イザナギノミコト、ツクヨミノミコトが誕生した池。神事で心身の穢れを払うために唱えられる祓詞にも記載があり、現在も清らかな水はもちろん、神秘的な雰囲気を持つ宮崎を代表するパワースポットとしても人気です。

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  • 江田神社-1

    江田神社

    「みそぎ発祥の地」「祝詞発祥の地」として知られる江田神社。その歴史は非常に古く、10世紀の初期に記された『延喜式』にもその名を見ることができます。日本最初の夫婦と言われる伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と 伊邪那美命(いざなみのみこと)を祀っており、良縁を願う参拝者が多く訪れます。

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  • 住吉神社-1

    住吉神社

    住吉神社は、昔から海の神、航海の安全の神として信仰され、全国の住吉神社でも由緒ある古社。イザナギノミコトが黄泉国で受けた穢を清めようと禊をされたとき、誕生した三神(表筒男命(ウワツツオノミコト)、中筒男命(ナカツツオノミコト)、底筒男命(ソコツツオノミコト)を祀っています。

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  • 木花神社-1

    木花神社

    海幸彦と山幸彦の親である、コノハナサクヤヒメとニニギノミコトを祀り、「木花」はコノハナ(木の花)に由来していると伝えられています。コノハナサクヤヒメが生んだ三皇子の産湯に使ったとされる「霊泉桜川」や、産屋(うぶや)があったとされる「無戸室(うつむろ)の跡」は必見。宮崎市の有形文化財にも指定されており、安産・子育てなどにご利益があるとされています。

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  • 野島神社-1

    野島神社

    縁結び・夫婦円満などにご利益がある神社で、樹齢400年を超える御神木のあこうは国の天然記念物に指定。二本の枝が結びついて一体化し、その枝から新たに伸びた枝がさらに幹となり大樹となっていることから「夫婦あこう」と名付けられています。また500年前から神楽と7つの神楽面が伝承されており、毎年11月23日には神楽が奉納されます。
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  • 宮﨑神宮-1

    宮﨑神宮

    日本の初代天皇・神武天皇を祭神とし、神武天皇の孫にあたる健磐龍命(たけいわたつのみこと:阿蘇神社のご祭神)がその縁にちなんで創祀したと伝わります。神武天皇の両親である、父・鵜鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)母・玉依姫命(タマヨリヒメ)も一緒に祀られていることから、家内安全や夫婦和合、安産・子宝のご利益、また神武天皇が東征されたことにちなんで、必勝祈願や合格祈願に訪れる参拝者も後を絶ちません。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。日本神話の象徴となるアマテラスオオミカミから始まる壮大な物語は、日本の成り立ちや人々の心の原点そのもの。宮崎の神話の舞台を巡る旅は古くからの日本の歴史・文化、そして神聖なエネルギーを感じられる体験となるでしょう。ぜひ、この記事をきっかけに宮崎の神話ゆかりの場所を訪れてみてくださいね!

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