神話のたび

神話みそぎ

古事記の神々は阿波岐原で産まれた。

こうして世界を構成するあらゆる神を生んだ伊邪那美命(いざなみのみこと)は、最後に火の神である迦具土神(かぐつちのかみ)を産み、やけどを負って死んでしまう。これを嘆いた伊邪那岐命(いざなきのみこと)は、妻を黄泉(よみ)の国まで追っていくが、そこで汚れを受け、あわてて逃げ帰って史上初めて「みそぎ」をする。

みそぎの時に生まれたのが、高天ヶ原(たかまがはら)の支配者となる太陽の神・天照大神(あまてらすおおみかみ)、それに八岐(やまた)の大蛇(おろち)を退治した荒ぶれる神・須佐之男命(すさのおのみこと)、暦(こよみ)の神である月読命(つくよみのみこと)など古事記のスーパースター的な神々だ。

その場所が、今の神主さんの祓詞(はらえことば)に残る「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」であると古事記は伝える。

筑紫は九州、日向はもちろん宮崎のこと。橘は通りに名を残し、小戸神社も現存するし、阿波岐原はシーガイアのある一ツ葉海岸の一角の地名。そして阿波岐原には、伊邪那岐命、伊邪那美命を祀る江田神社がある。つまり、古事記には、宮崎で産まれた神々や、宮崎の地名がたくさん出てくるという訳だ。日向灘から打ち寄せてくる荒波に向かい、その澄んだ海の気を浴びながら、古代の壮大な物語を思ってみよう。